2011年4月25日月曜日

大原病院・医療センター近隣の放射線値



 数日前、国が計画的避難区域の設定基準として「1年間の放射線積算量が20ミリシーベルトに達すると予想される地域」と呈示しました。年間20mSvという数値を呈示したため、県北地区の学校環境の放射線汚染について、にわかに不安が高まっています。
 行政から公表された小中学校や道路での測定結果を見ると以前から公表されている福島市の放射線量と比較して2~3倍の地区が多いことがわかります。屋内 16時間、屋外8時間を過ごすと仮定すると3.8μSv/hの地区は年間20mSvに達するとのことです。4月上旬の測定で県北地区の複数の地区がこの数値を超えていました。(先週末の再測定により一部地区では数値が下っています)
 大原綜合病院 画像診断センターでは近隣の放射線汚染を自分たちの目で確かめようと考え、4月1日より施設近隣の環境放射線値の測定を行っています。行政で用いている装置や測定法・代表値の決定法などが公表されていませんので、私たちの測定結果と数値を単純に比較することはできませんが、参考に呈示させていただきます。
1.GM式測定器Aloka TGS-133で測定した放射線値(単位cpm)
4月1日から23日までの屋外の放射線値(4月1日より継続して測定しています)
場所や日々によりばらつきがありますが、約1か月で概ね半分に減少しています。
2.屋外と屋内の放射線値の違い
大原綜合病院 本院    0~2 %  (屋外 390~1940 cpm)
大原医療センター     5~8 %  (屋外  650~950 cpm)
市内宮下町 一般家屋    21 %  (屋外 1000~1100 cpm)
放射線量は屋外と比較して屋内で減少しています
病院内では10%以下、一般の木造家屋で20%でした
*文科省資料では屋内の放射線は屋外の40%と説明されています
3.ポケット線量計(Aloka PDM-102)による積算放射線量
(測定4/20-4/24 地面・床から100cm 単位 μSv/h)
屋外 土の上(宮下町民家の庭) 1.14~1.72 μSv/h
屋外 コンクリート(同)    0.57~0.87 μSv/h
屋内 窓際(同)        0.51~0.61 μSv/h
屋内 窓から2m以上(同)   0.23~0.36 μSv/h
大原病院 屋外(アスファルト) 0.37~0.61 μSv/h
大原医療センター 屋内     0 ~0.09 μSv/h
大原病院 屋内         0 ~0.23 μSv/h
 小児科外来          0.12~0.23 μSv/h
 小児科病棟          0.12~0.23 μSv/h
 NICU             0 ~0.11 μSv/h
 放射線部           0 ~0.11 μSv/h
 CT検査室           0.12~0.23 μSv/h
  院内の放射線値は低値です
 屋外の土の上が最も高値でした
 一般家屋では、屋内窓際の放射線値は屋外の30~40%でした
 窓から離れるとさらに低下します
 福島県や文科省から公表された数値については測定方法や代表値の決定方法が明らかにされていませんので、大原綜合病院 画像診断センターで測定した数値を直接比較することはできません。しかし、これらの数値と今回の宮下町屋外測定値を同一環境の測定結果として換算しても病院内の放射線値は非常に低値であることがわかります。
*詳細は大原綜合病院本院・医療センター 放射線科にて掲示しております。

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