2011年4月30日土曜日

スタジオジブリ展 


アニメの背景画のラフスケッチが多数展示されています。あまりにも多くて途中で飽きてしまいました。前半は人混みでごった返していましたが後半はガラガラでした。みんなが同じように感じていたのではないでしょうか? そもそも人気キャラの絵は人だかりになりますが、背景画の連続では飽きてしまいます。以前、三鷹に行ったときに見たアニメの原理を実物で解説する多数の展示を思い出していましたので、とても期待外れでした。もっと枚数を厳選して、丁寧に背景画からアニメになるまでを解説してほしいと思います。
ジブリのアニメはパンやフォローパン、望遠と広角の使い分けなど、実写映画(カメラの原理)をひたすら目標としているのですね。映画への憧れが基本にあるのですね。フォローパンの際の背景画など計算された作成技術が発揮されています。その解説はとても面白く理解できました。しかし、その反面、予定されたことしか起こりえない、予想外の画像が得られることはありません。
かつての、稚拙な線画や切り絵で描かれたアニメ・コマ数を減らしたぎこちない動き・静止画を用いた紙芝居アニメなどとは全く異なる隅々まで計算されたアニメ映画です。破たんすることがないため、逆に作者の想像力を超えた表現はできません。安心してみていることができますが、どこかで見たようなシーンが多いのです。逆に大島渚のカムイ伝や、クレイアニメ・海外の影絵アニメなど斬新な実験的作品を見たときの驚きを思い出しました。ジブリアニメは巧みすぎます。
ただし、ストーリー構成は決して巧みといえず、破たんがあります。もののけ姫のラストなど救いを持たせるか否かで、制作しながら議論されたと聞きます。進行しながら即興で決めって行ったストーリー展開は先が読めません。即興的な画面やストーリーには作者が想定していない効果が生まれる場合があります。

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