2012年2月8日水曜日

被曝の少ない新しいCT検査

2月4日午後1時より、初めての大原医療センター市民けんこう講座を行いました。

内容は、最近の放射線被曝に関連した医療放射線被曝の話題です。講義室がほぼ満席になり、ご聴講いただいた皆様に御礼申し上げます。

要旨
2011年3月の原子力発電所の事故以降、放射線被曝への社会的関心が高まっています。特に福島県においては「風評」では済まされない放射能汚染が住民に多大の不安を抱かせています。
現在、大原医療センターでは最先端の320列CTを用いた先端的画像診断と並行して、CT検査の被曝を減らす研究を行っています。
この技術は低線量時の画像ノイズを低減することで高画質を期待できる画期的な技術です。従来のCT検査と比較して大幅な線量低減が可能です。昨年9月から300名ほどの被験者がこの低線量CTをお受けになっており、1~2mSv、すなわち、従来の放射線量の1/2~1/4に線量が低減しています。
大原医療センターではこの低被曝技術を活用し、必要最小限の被曝でCT撮影を行う体制を整えています。
福島県北の方々の平均医療放射線被曝を減らすことで、東京電力原発事故により付加された過剰な環境放射線量を相殺するための行動が微力ながらもできるのではないかと考えています。
現在の東電の放射線汚染は高名な研究者たちが言うように「安心なレベル」かもしれませんが、放射線に不安を抱いている方々が大勢いることは紛れもない事実です。そのような不安を抱いている方々にこそ、320列CTの低線量技術を有効に利用していただきたいと思っています。

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