2014年10月7日火曜日

CT道を究める


雑誌 Radfan 6月号の特集企画を担当しました。以下、巻頭言です。

企画の依頼をいただいて、身の程をわきまえず「CT道を究める」などという大きく振りかぶったテーマタイトルにさせていただいた。以前から、一つのテーマをコツコツと続けている研究者の姿が眩しく見えていたからである。

牛尾哲敏先生には時間分解能を中心としたCTの分解能について、後藤光範先生には仕様書に記載されているスペックの把握について、山城恒雄先生には逐次近似再構成を中心とした被曝低減技術のトレンドについて、三浦幸子先生にはわが国において先駆的にdual energyCTを活用している経験と今後の可能性について、関 順彦先生には学生や研修医への寺子屋形式の研修の実績から読影技術習得と伝授のこつを、松本祐司先生には内視鏡手技にCTデータを活用する実際について、それぞれ執筆していただいた。
今回、お願いした執筆者は普段からよく存じ上げている先生方であるので、企画者の意図(実は、とても薄っぺらで、何も考えていなかったこと)を汲みとって、明らかにオーバースペックにフォローしてくれた。たいへん感謝している。ご協力のおかげで、たいへん読み応えのある論文集になったと思う。
さて、「道を究める」という言葉は「達人になる」「プロフェッショナルになる」という意味で用いられる。また、「〇〇道」という呼称は、剣道・書道など、武芸の習得を通じて人生観や真理の追究・自己の精神の修練を行うというニュアンスを含んでいる。
ご執筆の先生方はいずれもCTの達人であり、多忙な日常業務の傍ら、ストイックに実験や臨床評価、あるいは教育に時間を費やし、継続して成果をあげておられる。先生方のご活躍を見ていると、たいへん愉しそうにお仕事をなさっていて羨ましい。CTの撮影や読影においても、一つのテーマを継続して追及することが自己の普遍的な修練の道へ繋がっていることをまざまざと感じさせられる。
読者の中にも、他にも多くの達人がおられると思う。ぜひ、さまざまなテーマでCT道を追及していただきたい。

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