2015年7月31日金曜日

JRS2015

4月に横浜で行われた医学放射線学会総会に出席しました。

「造影CTによる死亡例の検討 判例を検証し、そこから学ぶ」
 判例から争点になりうる危険因子を明らかにする。
 不測の事態が起こりうることも覚悟したうえで、目前の患者を救うためにリスクの高い医療を行っている医師を貶めるような判例はない。
 標準的な対応を行える準備が必要。
 説明と病歴記録が重要。

「CT検査 胸部」 当院、堀江より発表。
「ACTIVE会議」
 低線量スタディの論文化経過報告。呼吸CTスタディの進捗報告。

「膵胆道系疾患最近の病理学的トピックス」
 IgG4関連疾患 胆道系嚢胞性疾患
「Diagnosis of Diffuse Micronodular Lung Disease」
 HRCTによる小葉をベースにした読影の総括
 cellular:淡い陰影
「超高分解能CT QDCT」
 0.25mm検出器・0.25mm厚の新型CT
「トモシンセシスの臨床利用」
 整形外科:過重評価・機能撮影

「ITEM」 
東芝 CT FIRST QDCT 金属アーチファクト除去
GE CT DECT
PSP PACS 
東陽メディカ 骨抜き処理
EIZO 4Kモニタによる複数ソースの表示
島津 トモシンセシス 透視・一般撮影
インフィニット PACS
フィリップス 逐次近似再構成 金属アーチファクト除去
EMT MRI 金属チェックシステム

「Image Interpretation:4読影医によるインターナショナル対決」
「PSP」 PACSテクニック
「病歴を想像しよう」 脳疾患の読影法
「非血管性IVR」 
「Where are you from?」
 解剖を解析することで病変の由来を推定する
 脳
 頭頸部
 腹部
「PACSテクニック 過去画像との比較」
 コンピューテッドDWI
 教育資料作成

2015年7月29日水曜日

第10回 画像診断セミナー   造影剤の正しい知識

第10回 画像診断セミナー   造影剤の正しい知識
開催日時 平成27年6月29日 18:00~
会場   大原綜合病院 本院 5階レストラン  
レクチャー》 (各10分)
CT造影方法  大原綜合病院 画像診断センター 林下幸生・村松 駿 放射線技師 
看護師の役割  大原綜合病院 看護部 池田師長    
特別レクチャー》 (約30分)
造影剤副作用への対処  第一三共株式会社 成谷光造 主幹
最新の「ヨード造影剤副作用ハンドブック」を配布し、その内容について、わかりやすく説明していただきました。

本研究会は肺癌CT検診認定機構の単位認定研究会(筆頭演者7単位・出席5単位)・日本救急撮影技師認定機構の単位認定研究会(発表者2単位・講師5単位・受講者2単位)です

院内の安全管理研修もかねて行いました。当日は70余名の出席があり、みなさんが熱心に聴講していました。
成谷さんには、ハンドブックに沿って手際よく解説していただき、みんなで1冊 読了させていただきました。


2015年7月27日月曜日

仮想気管支鏡 BFnaviの論文が公表されました

 岐阜医療センターの浅野先生の論文 Virtual Bronchoscopic Navigation Improves the Diagnostic Yield of Radial-Endobronchial Ultrasound for Peripheral Pulmonary Lesions with Involved Bronchi on CT Intern Med 54: 1021-1025, 2015 が発行されました。

 CTブロンクスサイン陽性の肺結節に対する、prospectiveな無作為化比較試験で、navi群が有意に診断率を高めることが証明されました。












その陽性率は約95%であり、 坪井栄孝先生の末梢病巣擦過法の診断率 93%~96%に到達する数字です。当時、たくさんの追試が行われましたが、坪井先生のoriginalの診断率を超える報告はありませんでした。その原因は、坪井先生の卓越した技術によるものと言われていました。
今回の論文の診断率は、BFnaviを使うことで、(卓越した技術者でなくとも)坪井先生に近い到達率が望めるということが言える、素晴らしい数字だと思いました。
そういう意味でも、感無量の論文です。

2015年7月25日土曜日

診断参考レベルについて

 近年、医療分野における放射線の利用が急速に拡大し、これにともなって医療で受ける放射線被ばくによる影響への不安も広がっています。これに対して国際機関や団体が協力して、エビデンスベースの医療放射線防護の実現に向けた検討を行っています。こうした活動の母体として2010年、関連する学協会の協力のもとに、医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Informationon Medical Exposures: J-RIME)が発足しました。J-RIMEの活動目的は、放射線診療における被ばく線量・リスク評価など医療被ばくに関するデータを収集し、我が国の医療被ばくの実態把握を行うとともに、国際的な動向を踏まえて医療被ばくの適切な防護体制を国内に構築する点にあります。
 その対策の一つが、防護の最適化のための診断参考レベル(Diagnostic Reference Level; DRL)の策定です。わが国においては、2015年6月、初めての診断参考レベルが策定されました。

 診断参考レベルは線量限度ではありません。職業被曝の線量限度とは異なり、DRLは個々の患者の被ばくを制限するものではありません。したがって、臨床的な必要性があれば超過してもよく、また、優れた診療と劣った診療の境界でもありません。被ばくを低減しすぎて必要とされる診断情報が得られなければ、かえって無駄な被ばくとなります。したがって、DRLの目的は、診断のための最適化であって、線量低減ではないのです。
 DRLは、異常に高い線量を用いている施設を特定し最適化のプロセスを推進するためのツールです。現場の医療機関における診断参考レベルの活用法としては、施設で用いている典型的な線量を集計し、DRLと比較することで撮影条件の見直しのきっかけとすることです。DRLを超えている場合、臨床的に正当な理由がない限り、線量が最適化されているかどうかを判定するための見直しを行う必要があります。
 したがって、線量最適化の第一歩は自施設の線量を確認することです。
 大原綜合病院・大原医療センターの現在のCT撮影条件は概ねDRLを下回っていました。特に、医療センターの被ばく低減技術(AIDR3D)を用いた撮影ではDRLを大きく下回っていました。

2015年7月23日木曜日

国際放射線影響学会

 5月25日~29日 京都国際会議場で開催されたICRR2015へ参加しました。

シンポジウムで呼吸動態CTの話題提供。

ランチョンセミナーで震災後の放射線医療の混乱と線量低減CTについて話をさせていただきました。

「東日本大震災と低線量CTの役割」
放射能汚染への対応について、国内外の多くの大学・研究所をはじめとする多数の先生方から多大なるご支援をいただいていることを感謝します。


東日本大震災の後の放射線汚染の混乱を経験した。4年を経過してもなお、放射能汚染の不安を抱えて生活を送っている住民に対して、一放射線診断医が日々行ってきたことを振り返りながら、低線量CTへの期待を述べる。。

2011年3月11日。東日本沖で巨大地震が起きた。
巨大地震による津波により沿岸部は壊滅的な被害を受けた。
大原綜合病院では、200名あまりの入院患者を近くの小学校の校庭に避難させ、余震が収まるのを待った。
その後、福島県では沿岸部の原子力発電所が被災し、原子炉が制御不能となったことが明らかとなった。
放射能汚染が拡散していたが、被災直後は住民にも医療機関にも正しい情報が伝えられなかった。
「汚染はない」「安全である」という公表が繰り返されていたが、当時、勤務していた仙台市の施設では福島県からの汚染制御に躍起になっており、汚染程度の差により差別が起こることを実感させられた。
一方で、福島市内の医療機関のほうが放射線に関する危機感は少ない印象であった。

4月に福島市に異動した。
原発から、およそ100kmはなれた福島市では外出制限や屋外での活動制限が行われていた。福島県のTVの気象情報では各地の放射線量が報告され、また、各地の風向きが報告された。公園には立ち入り禁止の表示がなされた。
福島市の多くの医療機関でfilmに点状の感光現象がみられ、汚染が広がっていることが実感させられた。

幸いにもインターネットが使えたので、まず、メールを使って地域医療機関の放射線部門の情報の共有を行った。
地元医師会とのつながりにつとめ、特に、各病院の被害状況と放射線値の測定値を共有した。
当時、当院ではサーベイメータも保有していなかったため、職員関係者のコネをたよりに、東京の大学研究室から放射線のサーベイメータを借り受け、職場の汚染を測定し、院内へ公表することから始めた。
屋外の放射線値は1時間当たり2μSv/h程度であったが、屋内ではおよそ0.2μSv/hであり、自分たち自身で測定することで自身と職員の安心に寄与できた。

放射線汚染の福島の医療への影響としては、集団検診の受診減少、小児科のCT検査数の減少などが確認できた。
総被曝量を自身で管理している検診受診者も見受けた。受診者アンケートでは、特に小児の検査を低線量で行うことを希望する回答が多かった。

2011年から当院で活用している逐次近似応用再構成AIDR3D(320列ADCTに搭載:東芝メディカルシステムス)は、胸部CTの被曝を1/2から1/4まで低減することが可能である。
当院での胸部CT・腹部CTの平均被曝線量は2011年から2015年と徐々に低下している。
また、肺癌術前検査などの特殊撮影においては、従来より精度の高い検査を低線量で行うことが可能となっている。
東芝メディカルシステムスはこの機能を、普及型CTから高機能CTまで、すべてのCT装置に標準搭載(ないし無償バージョンアップ)した。このことで、現在、国内で2000台を超える被曝低減CT装置が稼働している。
このことはわが国に付加された環境放射能汚染に対して、診断精度を落とすことなく医療被曝を低減させることで、国民総被曝量を低減させようとする前向きな積極的対応である。



原子力発電所事故は未だに終息していない。震災後も人口の流出が続いている。放射能汚染に対する危機管理不足・情報不足が住民の不安と不信の原因である。
このような状況での国民総被曝量低減への前向きな対策は、不安を抱える住民へのひとすじの光明であり、最近、新聞を騒がせている「東芝」の優れた社会貢献活動と高く評価されるべきと思う。

学会から提供された写真では、会議場庭園での舞妓さんの写真がたくさんありましたが、講演でめいっぱいでしたので、気が付きませんでした。

少なくとも講演会場では見かけませんでしたね。




2015年7月21日火曜日

平成27年度 登録医会総会

去る7月14日 ザ・セレクトン福島において、一般財団法人 大原綜合病院 登録医会総会を開催しました。
今回は、地域医療支援病院運営委員会に引き続いて行いました。
100名を超える登録医の先生方にご出席いただき、たいへん充実した時間を過ごすことができました。
私の記憶が正しければ、いままで参加した 各種の登録医会の中で最大の盛り上がりでした。
ご参会の先生方に改めて御礼を申し上げます。

2015年7月20日月曜日

第7回福島県肺癌研究会

7月11日(土) 郡山市 ホテルプリシードで開催された、表記、研究会に参加しました。今回から、福島医大 呼吸器内科の棟方教授に代わり、呼吸器外科の鈴木弘行教授が代表世話人をつとめられます。
今回は記念講演ということで、外科系特別講演が2題、行われました。

2015年7月19日日曜日

映画三昧の週末

ずーっと、土日に研究会や、そのための準備が続いていましたが、6月末の肺癌診断会と7月初旬の画像連携懇話会が終わりましたので、久しぶりに映画三昧の週末をすごしました。
ロマンポランスキーは高校生のころから大好きな監督の一人でしたので、その新作「毛皮のヴィーナス」から、旧作を一気に見ました。
以下、感想です。
毛皮のヴィーナス:監督の内面暴露でしょうか? バッカスの巫女。
おとなのけんか:小品ながら一気に見せます。大人の関係って、こんなもんでしょうね。
ナインスゲート:ローズマリーの赤ちゃんと同様のテーマ。ラストも同様。
テナント:反撥の焼き直し。前半の不安感は理解できますが、後半はおいてかれた気がします。
ローズマリーの赤ちゃん:世界平和よりも個人の平安。
フランティック:最も好きな映画です。学会講演の出張中に足元が崩れ去ったような前半の浮遊感・不安感。
他:反撥・袋小路・チャイナタウン・ゴーストライター・吸血鬼・オリバーツイスト・死と乙女。

2015年7月18日土曜日

Advanced CT/MR 2015

軽井沢で開かれたAdvanced CT/MR 2015に参加しました。広島大学 粟井教授といっしょに1日目のCT技術のシンポジウムの座長をつとめさせていただきました。
CT技術の基本から応用まで、およそ2時間にわたってお聞きすることができ、たいへん勉強になりました。

 【1日目】 2015年6月6日(土)
CT 日常臨床に使える基礎知識から最新技術まで
〈座 長〉 粟井 和夫 (広島大学) 森谷 浩史 (大原綜合病院)
1 CT画像の成り立ち-サイノグラムって何? 佐藤 和宏( 東北大学病院)
2 ノイズ・コントラスト評価-最近の流れ 西丸 英治( 広島大学病院)
3 CT値に影響を与える様々な条件 井田 義宏( 藤田保健衛生大学病院)
4 CTのアーチファクトを知る 辻岡 勝美( 藤田保健衛生大学)
5 線量評価-最近の流れ 松原 孝祐( 金沢大学)
6 Dual Energyはこう生かす 能登 義幸( 新潟大学医歯学総合病院)
7 3Dプリンタの臨床応用 大橋 一也( 名古屋市立大学病院)

〈座 長〉 栗林 幸夫 (山中湖クリニック) 望月 輝一 (愛媛大学)
8 心臓CTとMRIをどう使いわけるか? 岡田 宗正( 山口大学)
9 石灰化症例の冠動脈CTA:サブトラクション法の有用性 田中 良一( 岩手医科大学)
10 CT負荷パーフュージョンと遅延造影の最近の進歩 北川 覚也( 三重大学)

当方からは、私のほかに、橋本・高橋(良)・鈴木・村松が参加しました。
診断参考レベルの考え方など懇親会で石口先生から直接お聞きできるなど、参加者にとり、有意義な研究会だったと思います。

毎年、参加している研究会ですが、今回が軽井沢開催の最終回とのことでしたので、空き時間に旧軽の商店街を散歩してきました。

2015年7月4日土曜日

第5回 南東北320列CT研究会 最優秀演題決定!

去る、平成27年5月22日(金)、福島テルサ 4階研修室 つきのわにて開催された 第5回 南東北320列CT研究会にて、宮城県立がんセンターの後藤光範先生が最優秀演題賞に選定されました。 タイトルは「逐次近似再構成法による体軸方向解像度の変化について 」 です。第2回に続いて、2度めの栄誉です。
 一般演題は、以下の10演題でした。(敬称省略) 選考委員のポイントの集計で選考が行われましたが、いずれも僅差でした。

小児頭部CT撮影用プロトコールの検証 大原綜合病院 鈴木秋穂
当院に搬送された多発外傷患者の全身CT検査における総撮影時間についての検証 福島県立医科大学 田代雅実
Simulation of dose reduction in cardiac CT used in the ablation 福島県立医科大学 角田和也
逐次近似再構成法による体軸方向解像度の変化について 宮城県立がんセンター 後藤光範
頭部CTにおける体動補正”APMC”の基礎検討 大原医療センター 林下幸生
骨用再構成画像と実空間フィルター併用画像の特性について 福島県立医科大学 深谷岳史
当院における頭部3D-CTA基本画像構築について 福島県立医科大学 石田遥菜
3D-Reconの基礎的検討 宮城県立循環器・呼吸器病センター 田浦将明
PhyZiodynamicsにおける画像評価法の検討  福島県立医科大学 深谷紀元
肝3相ダイナミック造影CTのプロトコル見直し 大原綜合病院 千葉洋史

特別講演は岩手県立中部病院 放射線診断科 熊坂由紀子先生に「救急CTミニマム・エッセンス」というタイトルでお願いしました。ベストセラー「ユキティのER画像 Teaching File」の熊坂由紀子先生の実践的レクチャーです。研修医が当直で出会うことの多いコモンな救急画像を一気に見せていただき、聴講者に大いにインパクトがありました。「なるほど」「なるほど」と頷きながら画像に見入っていました。

いつもながら、終了後の情報交換会は出席者が多く(情報交換会出席が最優秀演題賞の必須条件ですので)、大いに盛り上がりました。

2015年7月2日木曜日

第38回 呼吸器内視鏡学会

6月12日、呼吸器内視鏡学会に出席しました。低線量CTを用いた仮想気管支鏡の発表と内視鏡推進連絡会議出席のためです。

 第38回呼吸器内視鏡学会学術集会 2015年6月12日  低線量CTデータを仮想気管支鏡に 用いる際の適切な再構成法の検討 佐久間光太郎・森谷浩史

背景)近年、逐次近似法と呼称されるノイズ低減画像再構成法が開発され、特に臨床肺野画像においては従来の2分の1程度の低線量CT撮影が許容されると報告されている。しかし、低線量CTと逐次近似再構成が仮想気管支鏡画像作成に与える影響は検討されていない。
目的)仮想気管支鏡画像作成に対する低線量CT・逐次近似再構成法の影響を検討する。低線量化は仮想気管支鏡画像作成の障害となるか?障害となる場合、逐次近似再構成により改善するか?
対象)2012年2月から2012年8月に、多施設共同低線量CT研究(ACTIve)に登録した、当施設の肺癌検診二次精検受診 137 名のうち、以下の基準を満たした症例。肺癌や肺炎、肺気腫など明らかな病変のある症例や呼吸停止が不良な症例、心拍動の影響が強い症例を除外。BMI が正常範囲内(18.5 < BMI < 25)。16 名。男:女 = 8 : 8 。年齢 : 平均 67.8 歳(36 – 80)。IRBの承認を受け、全例において文章同意を得ている。
撮影方法・撮影条件)気管支自動抽出における問題点。低線量による抽出気管支容量の変化 低線量時の抽出気管支容量の変化 スライス厚による抽出気管支容量の変化 FBPとAIDR3Dによる抽出気管支容量の変化
結果のまとめ)スライス厚にかかわらず、線量が低下すると、抽出できる気管支内腔容量は減少した。スライス厚を薄くすることで 240 mA および 120 mA では抽出できる気管支内腔容量が有意に増加したが、60 mA では効果が不明である。抽出気管支容量においては AIDR 3Dの効果は認められなかった。むしろ 60 mA では有意に低下した。抽出エラーの発生は 60 mAで多く、120 mAでは AIDR 3D を用いると抽出エラーが増加した。視覚評価では240mAで微小な気管支の描出が多かった。これらは、体積変化にはあまり寄与していない。
考察① 低線量化は仮想気管支内視鏡画像作成の障害となるか? 本検討において、低線量では自動抽出のエラー発生率が増加し、気管支描出は有意に低下した。また、スライス厚を薄くした際の改善効果も見られなかった。従来のCTによる気管支描出はスライス厚が薄いほど細かな構造が再現できると言われていたが、線量低減時のCTでは必ずしも期待通りの画像が得られない。この原因は線量低下によるノイズの増加によると思われ、本検討の結果もそれを反映していると思われる。
考察② 障害となるならば、逐次近似応用再構成により改善するか? 低線量において、逐次近似応用再構成による気管支描出の改善は認めず、超低線量ではむしろ障害となった。このことは逐次近似再構成による空間分解能低下が影響している可能性がある。現在のSDの改善に主眼を置いた逐次近似再構成法だけでなく、気管支のような微細構造物の描出に主眼を置いた新たな処理法が必要になるかもしれない。
まとめ)低線量/超低線量CTにおいては気管支抽出能は低下し、逐次近似再構成法を用いても改善しない可能性が示唆された。Limitation : ひとつの気管支抽出ソフトウェアのみでの検討であり、他のソフトウェアや仮想気管支鏡に当てはめることができるまでは未検討である。微小気管支は体積に反映されていない可能性がある。




会場では聖マリの栗本典昭先生にお会いし、CT枝読み術の話をお聞きしました。むかし自分でもやっていた技法ですので、すぐに納得できました。同様の操作がziostationなどの今のワークステーションでは簡便に実現できそうなので、後日、改めて相談したい旨、・・・。

京王プラザからハイアットリージェンシーへ移動し、推進会議に出席。オリンパス社の今後の開発状況の説明を受けました。EBUS関連の操作性向上機種と新しいBFnaviの説明を受けました。

帰りの新幹線では、最近、北岡先生がご執筆されたハンディな呼吸機能のご本を読んでいたら、愉しくて、あっという間に福島についてしまいました。

2015年7月1日水曜日

琉球大学の山城先生がATS2015で呼吸動態CTの口演を行いました

Continuous quantitative measurements of proximal airway dimensions and lung density on dynamic-ventilation CT: a novel imaging approach for obstructive diseases using a 320-row detector CT scanner

ATS2015